キャンバー調整式アクスル加工


以前、アルトのリアアクスルを切断、溶接してキャンバーを付けましたが、今回はキャンバーをコースによって変更出来るよう「キャンバー調整式アクスル」に加工します。

ついでにスプリング&ショックアブソーバーのストローク量も増やせる造りにします。

構造は市販されているアクスルを参考に出来るので割と簡単(?)

先ずは中古のアクスルを用意。

某オクで5000円位。

ワゴンR用だったかな?

年式が同じ位だとみんな同じ物のようです。


アクスル到着と同時に早速切断。

両方切ると寸法が分からなくなるので、とりあえず片側を完成まで作ってしまいます。

切断はアクスル本体側は根元までバッサリ。

スピンドル側はスピンドルがアクスルパイプに差し込まれている分を残す為、ドラムを取り付けるプレートから15mm位の位置で切断します。


実はノーマルと同じトレッドにするならスピンドル側はもっと残してもいいのですが、今回は少しトレッドをナロー化、つまり少し狭くしたいのです。

というのはある日先輩がやってきて

「なんだか一生懸命軽量化してるみたいだけど、いつも履いてるホイールが重そうだから。」

と、中古の軽量ホイールを4本頂戴いたしまして、早速アルトに取り付けてみると・・・。

←見事にハミだしてます。

まぁ確かに先輩も
「オフセットはアレだけど、まぁなんとかするんだろ?」的な事言ってましたが(笑)

折角頂いたものを無駄に出来ないので、当然なんとかします(笑)

数値で見ると片側で20mm、出来れば25mm位ナロー化し、ツラ具合はスペーサで調整したいところ。
(ちなみにフロントはキャンバー3°の状態なら何とか収まりました)

ホントはフェンダー切ってオーバーフェンダー貼っちゃうのが一番簡単なんですが、軽自動車でナンバー付きの場合、ボディ幅に変更があると色々厄介なのでその方法は取りませんでした。


キャンバー調整部分の製作です。

材料は4mm厚50mm幅のL字アングル。

←長さ150mmを8個切り出し、50mmでは幅広過ぎるので、調整の為に少し切断したりしてこんな物を作ります。

スピンドル側のパーツは溶接で合わせ、スピンドルの裏側を差し込む位置に60mmnホールソーで穴を開けました。

穴位置は車高を下げつつストロークを稼げるようになるべく上の方に開けています。


作ったパーツにスピンドルを合わせてみます。

アングルの内寸は60mm、アングル外寸が68mmです。

この寸法だとギリギリでドラム取付け用ナット部の内側に収まります。


そうするとこのようにドラム取付けプレート部とぺったりとくっ付くようになります。

こうしておくことで「トー」の狂いを心配する事無く、溶接と組立てをする事が出来ます。


アクスル本体側のパーツはスピンドル側のパーツに被さる寸法で溶接組立てをします。

また、ナロー化しなければ必要が無いのですが、ブレーキドラム取付ボルトの逃げ取りの為、少しカットしてあります。


スピンドルを作ったパーツにガッチリ溶接。

もちろん裏側もしっかり溶接してあります。


続いてキャンバー調整用に長穴加工をしますが、実際に必要なキャンバー角は最大で3°程度、最小値はノーマルは構造上0°ですが、0°で使うシチュエーションが考えにくいので、最小値は1°に設定、調整幅はあえて少なくしてコースでの調整を容易にし、調整精度を確保します。

上下のボルトの間が110mmなので、1°可変させる為に必要な幅は計算上約2mm、なので4mm位長穴にすれば事足りる事になります。



角度を確認しながらリューターで少しずつ削って調整。

←一番キャンバーを起した状態。

キッカリ1°です。

この調整は左右分のパーツを同時に加工して左右で狂いが無いようにしています。


←一番寝かせた状態。


ついでにキャンバー角度を2°の位置に合わせた状態でボルトをロックし、2つのパーツに貫通穴を開けておきます。

キャンバー調整時にこの穴に棒を差し込んで合わせることでキャンバーゲージを使わなくても正確に2°の位置に固定する事が出来ます。



パーツ同士の固定にはM12x1.25のボルト&ナットを使いますが、内側のナットの方はスピンドル側のパーツに溶接で固定します。

こうしておくとナットを押さえずにボルトだけ回せばいいので、調整の際はレンチ一個で済みます。

ナットを溶接すると多少ネジ山が歪むことが多いので必ずタップを掛けて修正しておきます。


出来上がったキャンバー調整パーツをアクスル本体に溶接。

取り付け角度はトーインに影響しないように車体を横から見て「なるべく垂直」に取り付けたいところですが、トレーリングアームの取付ボルトの位置やアクスルパイプの中心に合わせていくとあまり幅が無いので取り付けられる位置に取り付けるといった感じです。


FFだし、超軽量な車体なのでそんなに負荷は掛からないと思いましたが、一応倒れ込み防止に補強板を付けておきました。


片側が完成したので、すぐに反対側も切り落とし、すでにほぼ出来上がっているキャンバー調整パーツに溶接してアクスルに溶接します。



全ての溶接が完了したので「シグナルグリーン」に塗装して、


キャンバー調整式アクスルの完成です!


寸法的に加工前のアクスルと比べ、ナロー度合いは片側で-28mm、スピンドルは上に40mmオフセットしています。


完成したアクスルを早速取り付けます。

←外した2°溶接加工アクスルとの比較。

この位ナロー化されています。


アクスルをトレーリングアームに固定し、ブレーキ一式を取り付けますが、ドラムのバックプレートを取り付けるボルトは元々付いていたものだとこのように裏側に出っ張り過ぎてキャンバー調整が出来ないので、少し短いボルトに交換しました。

←上側が標準のボルト、下側は交換したボルト。


ブレーキパイプも当然合わなくなりますが、グイグイグイ、と3回位手で曲げて調整して取り付けます。

ナロー化の為、クリアランスにあまり余裕がないのでスプリングに接触しないように気を付けます。


あとは一気に組立てて、頂戴した軽量ホイールを取り付けてクリアランス測定です。

ちなみにホイールサイズは14インチ6J、オフセット+20。

先ずはキャンバー1°から。

え〜〜と、タイヤは回る事は回りますが、どこかほんの少し擦っている音がします。

シクネスゲージを突っ込んで計測すると・・・0.2mm。

0.3mmだと入りません(笑)

フェンダーの爪は元々ガッチリ折っているので、この状態だと少し叩き出さないとダメかな?


次にキャンバー2°

うん、これなら走れそう。

見た目も良いし(笑)


お次はキャンバー3°

人差し指が入っちゃいますね〜。

スペーサー5mmかな?


ホイールは計算通り(?)に収まりましたが、このままだとスプリングのストロークはそのままなので、少し車高を上げてストロークを確保します。

ただ、現状でアルトのリアには車高調のアジャスターが付いていないので、スプリングの上にスペーサーを入れて車高を上げる事にします。

使用するのは「まな板」

厚み10mmのまな板を「自在錐」で円形に切り出します。

高級な自在錐はまぁまぁな値段がしますが、コレは1000円位の安いやつです。

表と裏から、2回に分けて切ると簡単に切れます。

車体のスプリング取り付け部を計測して寸法を出し、直径は100mm。


切り出したまな板は周辺が少し溶けてバリだらけになるので、削ってキレイにします。

少し長めの6mmのボルトをまな板に通し、ナットで挟んで固定してドリルに咥えます。

ドリルを回転させ、サフォームを軽く当てるとあっという間に削れてキレイになります。


最後に真ん中にホールソーで60mmの穴を開けます。


この寸法で作ったスペーサーはスプリング取り付け部にピッタリと収まります。

片側3枚ずつ入れて30mm車高をアップさせました。

上側のスプリング受けのゴムは外してスプリングとスペーサーの間に入れます。


アクスルの位置が元の位置より40mm低くなったのでマフラーがアクスル下を通せなくなってしまったのでマフラーも加工します。

こうなる事はアクスル加工開始時に当然予想していたので、ステンレスの曲げパイプ、ストレートパイプは既に用意してあり、ちょいちょいと加工し、ノーマルマフラーの出口位置付近に持ってきました。

ゆくゆく訪れるであろうパワーアップに備え、今回は今までのパイプ径50.8Φから60.5Φにサイズアップしておきました。


現在リアに使っているスプリングの自由長がかなり短く、全長調整のダンパーを一番短くしてもスプリングが5cm位遊んでしまい、このままだとショックが底付きしてしまうので、その対策をしておきます。

←3mm厚のフラットバーとL字アングル、内径16mmのパイプを使ってこんなものを作ります。


塗装してこの位置に取り付けます。

元々上側のボルトの位置にショックの下部を取り付けますが、そのボルト位置から作ったブラケットをぶら下げて70mmほど下に取付位置を変更します。


取り付けるとこんな感じ。

上側のボルトは首下90mm以上のボルトを新たに用意し、ショックを取り付けるボルトは強度的な問題もあるので、元々付いていたボルトをそのまま使用します。


首下100mmのボルトしか売っていなかったので、上側のボルトは少々飛び出してます。

下側はギリギリ締め込めているので大丈夫でしょう。


スプリングに合わせてショックの長さを調整し、スプリングのバンプラバーも純正のウレタン製の新品を用意してバウンドストロークに合わせてカットして取り付け。

ショックのバンプラバーよりちょっとだけ先に当たるように調整してあります。

スプリングのバウンドストロークは45mm。


マフラー出口には廃材のカーボン板を貼って焦げ防止(?)しておきます。