アルトでTC2000を走るようになり、左リアタイヤの当たりがすごく悪く、全く踏ん張らないので少しキャンバーが欲しくなってきました。 とは言ってもアルトのリアアクスルは一本のパイプで繋がれているだけなので調整しようがありません。 そこでこのアクスルを切断し、キャンバーを付けて溶接し直す方法でキャンバーを付けます。 この方法は割とポピュラーで、加工済みのアクスルも販売されていたりします。 もちろん切る道具も溶接機もある以上、自分で加工します。 本当は後で調整出来るように可変機構を持たせた方が良いのですが(販売されているものは可変機構が装備されているものが多いです)ちょっと次の走行まで時間が無いので、とりあえず2°〜3°付近で固定してしまう事にします。 アクスルを車体から取り外し、とりあえずロータリーバンドソーで切断してしまいます。 |
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割とノープランで左右とも切り落としました(笑) まぁまぁ肉厚ですがロータリーバンドソーで簡単に切れました。 切断するのはなるべく根本側(車両内側)が良いようです。 |
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キャンバーは特に数値を決めているわけではないし、少しくらい左右差が有っても気にしませんが(?)トーが狂ってしまうのは大問題なので対策します。 アクスルパイプにピッタリ添うように、15cm位に切ったフラットバーをアクスルの前後に溶接します。 これでフラットバー同士の間はアクスルパイプの幅にピッタリ合うはず。 |
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切断したハブを嵌め込んでみます。 軽くハンマーで叩いて入れる位ピッタリなので、手で持っていなくても保持されています。 これならほぼトーの狂いはほとんど無いはず(?) (もちろん溶接時の歪みには気を付けなくてはいけませんが) |
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キャンバーの計測にはデジタル角度計を使います。 リジッドラックに載せたアクスルの真ん中でゼロ点を出します。 |
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先にハブの真上の一カ所だけ点付け溶接しておき、ハブのシャフト部に角度計を載せて計測。 う〜んもうちょい少なくていいかな? 点付けしてあるだけなので希望の角度になるように軽く叩いて微調整。 |
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付けすぎておかしな動きになっても困るので、取りあえずこの位かな? 概ね希望の角度になったのでフラットバーとアクスル上面をガッチリ溶接します。 |
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アクスル下側には角度に合わせて切り出した鉄板を当てて補強をします。 こちらもガッチリ溶接したら隙間の空いているアクスル下側を溶接でしっかり埋めます。 本当は合わせ目を削ってパイプ同士を隙間なくピッタリにしておいた方が良いです。 ・・・でも削るのは面倒で(笑) |
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上側には「コの字型」の補強材を溶接しておきます。 この位補強しておけば千切れる事は無いかな? 特にウチのアルトのリアはめちゃくちゃ軽いので負荷も少なく、まぁ問題無いだろうと(笑) あとは塗装して車体に取り付け。 掛かった時間はアクスル取り外しから取付完了まで5時間位。 |
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車体を地面におろし、キャンバーゲージで計測。 加工時の寸法ときっちり同じになっているのが確認出来ました。 |
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問題のトー角。 こちらもアライメントゲージを取り付けて計測したところ、ちゃんとトー角0になっていました。 ※後日、ヒーローしのいでテストしましたが、4速全開で進入する高速コーナーのヒーローコーナーでもリアの不安定感は無く安心してコーナリング出来ました。 走行後にタイヤの当たり具合をチェックしてみても、ほぼ全面が使えているようです。 速度域が近いTC2000の最終コーナーでも有効だと思われます。 欲を言えばあとちょっとだけキャンバーが欲しいのと、コースによって調整出来るようにしたいところです。 やはりキャンバーが調整出来る可変式を製作した方が良さそうですね。 |