異音が発生しているのがどうもエンジンの上の方のような感じだし、点火を1気筒づつ止めてみても異音に変化が無いので、メタルの焼き付きという最悪のトラブルではないようです。 これってもしかしてSRエンジンではよくあると言われている「ロッカーアーム外れ」? そうだとしたらこのまま自走した時に、その破片が原因でエンジン全損なんて事にもなりかねないので・・・TC2000の駐車場で分解です(笑) 幸いSR20のヘッドカバーはたいした工具も必要とせずに取り外せるので、エンジンが少し冷めるのを待ってからヘッドカバーを外します。 |
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直前にプラグを抜いて点検した時に、1番シリンダーのピストントップがガソリンで湿っているのが見えたので、トラブルは1番シリンダーで発生している可能性が高いです。 数分でヘッドカバーは外れ、損傷個所とご対面。 |
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予想通り1番シリンダー(EX側)のロッカーアームがポッキリ折れています。 折れた残りのロッカーアームが斜めになり、変な位置でバルブリテーナーをちょっとだけ押しているようで、このバルブは閉じ切っていないようです。 この事から排気温度がいつもより高かった原因は未燃焼ガスがエキマニまで流れて燃えていたのではないかと推測。 トラブルは特定出来たので、折れて何処かに飛んで行ったロッカーアームと本来バルブステムの上に乗っているはずのロッカーア-ムシムを探します。 |
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ロッカーアームの破片はすぐに見つかり、カムチェーンのガイド付近に引っかかっていましたが、シムの方はいくら探しても見つかりません。 | |
簡単に見つかったロッカーアームの破片も取り出すのには一苦労。 手持ち工具のドライバーとかでは届かない位置だったので、急遽ドアの内側に付いている先の曲がった長いロッドを取り外して使い、なんとか摘出出来ました。 折れたロッカーアームに合わせてみないと分かりませんが、きれいにポッキリ折れているので細かい破片の心配はしなくても大丈夫かな? シムは帰ってからじっくり探す事にし、さっさと組立てて可能な限り回転を上げずにゆっくり帰路に。 |
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(ところで今回のロッカーアーム折れはSRエンジン車でドリフトする人達の間ではポピュラーなトラブルらしいです。 一番の原因はオーバーレブらしいですが、今回自分の1枠目の車載映像を見る限り、オーバーレブ等は全く無く、コースイン後数周目、まだタイヤを温めている最中に排気温度に異常が出ている事から、単純に疲労破壊ではないかと推測しています。) 帰宅後、再度ヘッドカバーを外し、じっくり時間をかけて隅々までシムを探しますが、ヘッド内には見当たりません |
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仕方ないのでオイルを抜いてオイルパンを外しますが、ここにも見当たりません。 金属粉やスラッジ等は一切無い状態なのでエンジンのダメージは心配しなくて良さそうです。 |
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今回のトラブルそのものはロッカーアーム交換だけで直るのでホッとしましたが、現状で特に悪さはしていないとは言え、そんな「不発弾」をエンジンに残したままでは安心して全開出来ないので、オイルパンのすぐ上に付いているバッフルプレートを取り外したら・・・。 ありました!バッフルプレートの上にオイルで張り付いていました。 良かった良かった、これでエンジン分解という最悪の事態は回避出来ました(^^;) |
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ところでこのエンジンはO/H作業が2011年、初走行が2012年1月なので、組んでからちょうど10年、走行距離は55000km位になりますが、自分で言うのもアレですけど(笑)エンジン内部はとてもきれいで状態が良いです。 ヘッドカバーを外したカム廻りは組んだ時そのままだし、今回オイルパンを外したので下から覗いて見ましたが、当時砂落としと称して磨き込んだブロック内壁面とクランクベアリングビームはピカピカ(画面中央) やはり安いオイルを使ってもオイル交換の頻度の方が大事ですね。 オイルパンブロック廻りは流石に茶色くなっていますが、ここは常にオイルが溜まっているのでこの位は仕方ないかな? |
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本当はロッカーアームとラッシュアジャスターを全部交換した方が安心できるのですが、純正部品の価格が高騰していたのでやむなく破損個所のみの交換としました。 因みにロッカーアームは1個 \11400(一台分\91200)税込みだと10万超え。 ラッシュアジャスターは1個 \6740(一台分\53920) メーカーも在庫管理などで大変なのでしょうけど・・・この先旧車を維持していくのは厳しくなってきましたね・・・。 破損したロッカーアームと破片はピッタリ一致し、細かい破片をエンジンに残す心配は無くなりました。 ラッシュアジャスターもはロッカーアームが折れて斜めになっていたせいで先端が少しカジっていたので交換しました。 |
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