自作FRPルーフ


アルトバンの軽量化の為にルーフをFRPで作ります。

メス型を起こせば完璧ですが、そんなに手間も材料もかけていられないので、表面があまりきれいに仕上がらない事は承知の上で一品限りのワンオフ仕様を製作します。

先ずは車体のルーフ部に離型処理。

いつものようにボンリースワックスを5回とPVAを塗って乾燥させます。


材料費はかけられないと書きましたが、樹脂はちょっと奮発してみました(笑)

エポキシ樹脂です。

実は20年以上前に一度エポキシ樹脂を使ったことがあるのですが、その時はとにかく全く硬化しなくて(一週間経っても固まらず)イヤになってその後は使っていませんでした。

ただ樹脂の物性としてはポリエステル樹脂より優れているのは間違いないようだし、ポリ樹脂のように「ヒケ」(樹脂痩せ)が出る事もほとんど無いとか強度が高いとかメリットも多いのでここらでもう一度ちゃんと使ってみようかと。

あ、ただひとつだけ確実なデメリットも。

 値段が高い(笑)

種類にもよりますが同量でポリ樹脂の3〜4倍位はします。


ガラス繊維の構成はエポキシ樹脂が硬化した時の「感じ」が分からないのと、最初からまとめて貼ってしまって必要以上に重くなってしまう事を懸念し、ちょっとこれでは薄いかな?とは思いますが#200ガラスクロスを3プライ貼ってみます。

樹脂量はGTウイングVer3の製作時に算出した繊維重量×1.2でいってみます。


早速樹脂と硬化剤を混ぜて作業を開始しましたが、とにかく樹脂が「固い」

いつも使っているポリエステル樹脂と比べるとまるで水飴の様。

エポキシ樹脂はかなりしっかり混ぜないと硬化不良を起こすらしいので一生懸命混ぜますが・・・。
すごく疲れます(笑)

樹脂の塗り込みもこの粘度ではローラーがスムーズに回らないんじゃないかと思ったので

←ゴムヘラで伸ばしてみました。

これはかなりヒットだったようでネバつく樹脂でも思ったところに運び易く、同時にエアもキレイに押し出せます。


クロス3枚はすぐに貼り終わりましたが、ここから硬化するまでがかなりかかりました。

確かにガレージ内は樹脂の説明書きにあった硬化時間の目安「25℃×16時間」」よりちょっと低い23℃でしたが、24時間経ってもまだベタベタ・・・。

また固まらねぇのかよ、トホホ・・・と思いつつストーブを焚いて表面温度が30℃位になるように温度を上げて2〜3時間したら・・・

固まりました(^^;) よかったよかった

しかしエポキシは温度がかなりシビアですね。冬場に使うのはキツイかな。

さて剥がしてしまう前に肝心の強度を確認。

端っこをちょっとめくってみて持ち上げてみると・・・やはり予想通りちょっと薄過ぎるようです。


風圧でペコペコするような屋根ではしょうがないので完全に剥がす前に#450ガラスマット+#200ガラスクロスを1枚づつ貼り増しました。

作業中に気になったのは#200のクロスはほぼ計算値の樹脂量で足りるのですが、マットの方が計算値では全く足りず、予定よりかなり多めに樹脂を使ってしまいました。

使用した樹脂と繊維の合計の重量が4640g。 

ポリ樹脂の場合はここから硬化までに揮発する分があるので使用量より10%程度目減りしますがエポキシではどうでしょう。

硬化後剥がして周囲を切り揃えて重量測定をしてみると・・・。

4.5kg(こちらはグラムまで量れる計量器に載せられなかったので体重計で計測)

・・・ほぼ使用量ですね

このあたりの差が樹脂の収縮とかの違いになっているんでしょうか?


3kg台を目論んでいたFRPルーフが思いのほか重くなってしまったので

色々不安がよぎります。

((まさか切り取った鉄板のルーフの方が軽かったなんてないよな))

が、ここまできたらやるっきゃないのでルーフの切り取り準備。

30mm程度の接着代が残るようにマーキング。


エアソーを使い10分程度で切断完了。

緊張の計測結果は・・・


・・・5.8kg

う、ううむ   微妙〜〜〜。

まぁ鉄板ルーフの方が軽かった、なんて最悪のケースは回避出来ましたが・・・。

にしても軽く出来たのはわずか1.3kgとは・・・コスパ悪すぎ(笑)

ただ、結論から言えばおそらく3kg台は可能だと思われます。

今回の繊維構成から#200クロスを2層省けば計算上1kg軽くなるので3.5kgでは仕上げられたと思います。(#200クロス2層程度を引いても剛性自体はほとんど落ちないと思われるので)

それでも軽量出来るのは2.3kgですけどね。


なんかくやしいので表面を少し削ってもう少しだけ軽量化します。

ダブルアクションサンダーに#60ペーパーを付けてゴリゴリ削りました。

かなり硬いので難儀しましたが、なんとか400g落としました。

これでFRPルーフの重量は4.1kg、

結果的に元の鉄ルーフから1.7kg軽量化出来た事になります。


ボディーとの接着にはGTウイングVer3で使った「エポキシ接着剤」を使います。

2液を混合し、接着代にヘラで載せておきます。


慎重にルーフを載せ、四隅をビスで留めて仮固定、浮きそうなところを重しとテープで押さえておきます。


塗装をすると重量増になるのでここは「カーボンシール」を貼って仕上げです。

このルーフを見た人は

「なんだ、シールか・・・。コンコン(ルーフを叩いでみる)あれ?鉄板じゃないみたいだな」

「え?マジでカーボン?ん?なんだガラス(繊維)か」

という訳が分からない反応になります(笑)
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