FTOヘッドライト移植

海外では割とポピュラーなFTOのヘッドライトスワップに挑戦してみました

過去にオリジナルの固定ライトユニットを2回自作しましたが
Ver1、Ver2共に車検時の光軸検査をパス出来る状態に無く
車検のたびにノーマルライトに戻していましたが、
今回は車検取得を視野に入れ、他社種の純正ヘッドライトユニットを移植してしまう事にしました。

なにか良さげなヘッドライトは無いかな〜と海外サイトをウロついていると
海外のMR2のサイトにFTOのヘッドライトを移植したSWの画像が数枚貼られているのを発見!

仕上がりもかなり綺麗で、違和感がまったくありません

「よし!こいつをパクろー!」

さっそく某オークションでFTOのライトを探す日々が始まりました
中古にしては結構いい値段でしたがFTOのヘッドライトを入手。

バンパー、フェンダー、ボンネット、ライトユニットを取り外した状態でFTOライトをあてがってみて位置関係を確認します。

外板パネルの加工は当然仕方がないとしても、骨格パネルの加工は最小限にしたかったので骨格を避けられるように位置を慎重に探ります。

←まずバンパー固定のブラケットの邪魔な部分をカット。
このステーはフェンダーの先端部分も固定しているのですが
どうせフェンダーの先端もカットすることになるはずなので迷わず切断してしまいます。

※画像をクリックすると拡大できます
ライトユニットをジャッキとかリジッドラック等で支えながら位置決めをしているところ。

FTOのライトはボルト2箇所と差込1箇所で固定されているようなのですが、一番外側にある差込部分あたりにはSWのパネルがまったく無いのでここでの固定は諦める事にします。
とりあえずライトの高さを決めてしまう事にし、ライトの内側のボルト固定部をバンパーステーにこんな感じのステーを作って固定してしまいます。

まだ暫定の位置決めなのでボルト穴は大きめにしておいて調整幅を持たせています。
ボルトは両方6ミリですが、穴は8ミリで開けてあります。

他の固定部やチリの関係でこの調整幅で収まらなければ作り直せばいいかな
程度の感覚で作っているのでアルミのアングル材をちょっと曲げただけのシンプルなステーです。
ライト上側のボルト固定部はけっこうグニャグニャと上下方向に動いてしまうので、ここは前後左右方向の固定が出来れば良いだけなので気が楽です。

純正のライトが固定されていた6ミリのネジ山を利用してこんな感じのステーを作ってみました。

2ミリ厚のアルミ板を切り出しただけです。
一応型紙を使って作りましたが、ここもまだまだ暫定なので切り出して穴を開けただけです。
とりあえずこんな位置関係で仮固定。

海外サイトで見かけたものよりもおそらく5〜6センチ前方に、外側に2〜3センチ程出過ぎているようではあります。
ただ、これ以上後に下げるとパネルにかなり大きな穴を開けないと収まりそうに無い上、
自分の車はインナーフェンダー部を拡大加工してある為やはり後に下げられそうにないのでこの位置で続行してしまうことにしました。

これが後にちょっとしたトラブルの種になるんですけどね(^^;)
ライト外側がぶら下がってしまうのでここにもステーを追加。

ライト本体に穴開け加工してしまうと水漏れ等の心配があったので
とりあえず両面テープでライトにアングル材を固定、ボディ側の純正ライト固定用のブラケットからステーを伸ばして仮固定。

これでほぼライトはしっかり固定されました。

ここまでの全てのボルト穴は大きめに開けてあります。
ライトが固定できたところでフェンダーの加工に入ります。

こんな感じでフェンダーのラインを出し、フェンダーの切断部分の計測をします。
型紙に寸法を写し取っているところ。

ボンネットとの隙間も考えて計測しています。
型紙でとった寸法をフェンダーに写してエアソーで切断。

フェンダーの内側も思った以上に干渉したので何度も脱着しながら当たり具合を確認して切断しました。

結局、後で内側のほとんどを切断する事になりましたが
この時点ではフェンダーを固定する事に専念していたので気が付きませんでしたが・・・
・・・思った以上にハミ出すもんですね・・・

後のパネル加工がけっこう大変そうだなとは思いましたが、

本来付いていない物を付けるんだから合わなくて当たり前!
凹ますよりは付け足す方がラクだろー

と開き直って作業を続行〜
フェンダー先端部とライトの隙間は慎重に少しずつ削って調整。

左右とも3ミリ程に合わせてあります。
フェンダーが固定出来たので今度はボンネットの加工です。

ライトとボンネットが接する部分ののカーブを正確に写し取ります。

ボンネット先端とフェンダー先端の位置もピッタリに合わせます。
隙間も3ミリ確保した状態で型紙を製作。
ノーマルのリトラカバーに型紙から寸法をトレース。

ここで注意しなければいけないのはボンネットとリトラカバーの隙間です。

2枚下の画像を見て頂ければ分かりますが隙間は確保したまま寸法を取るので、この時点ではカバーより型紙のアウトラインの方が飛び出している状態になります。

フェンダー先端部とボンネットの先端部分だけを合わせてカーブを書き込みます。
磁石を使って仮止めしたところ。

違う車のライトなのにふくらみ具合がほぼピッタリ!!

もちろんライトの傾き具合は微調整していますが
R部分がこんなに揃ってくれるとは思いませんでしたね
ヽ(´▽`)ノ
上から見て隙間の具合も確認。

このままボンネットと一体化させれば良さそうです。
FRPでくっ付けてしまおうかとも思いましたが
鉄板同士なので溶接した方が手っ取り早く丈夫なので
溶接する事にしました。

隙間を溶接棒で埋めるのは大変なので
ライトカバーの耳(?)部分に切り込みを入れ、外に折り曲げて隙間の分の面積を稼ぐことにしました。
再度ボンネットに当てがってみると隙間の幅以上に面積が稼げたので、溶接代には十分でした。
半自動溶接機で少しずつ溶接。

一気に溶接してしまうと熱が伝わり過ぎてしまい、あらぬところの鉄板が歪んでくるので本当に少しずつ溶接。

左右のカバーを交互に点付けしては冷ましてを繰り返し
約1時間かけて溶接完了。
溶接で焦げた部分の塗装を確実に剥がしてからパテで面出し作業です。

先ずは丈夫な鈑金パテで粗出しします。

非常に固いパテなので#60とか#80でガシガシ削っていきます。
概ね形になったらポリエステルパテで仕上げ作業に入ります。

パテの面積は徐々に広げてなだらかにしていきます。
ライトの位置が決定したのでステー類もしっかり本番用(?)に造り込んでいくことにします。

適当なアルミアングル材で支えていたライト外側下のステーはフロントパネルとフレームを繋ぐ形の丈夫な物に造り替えしました。

見えなくなってしまう部分ではありますがバーリング加工でお化粧しておきました(゚∀゚,,)
ヘッドライトに両面テープで仮固定してあったアングル材も角にR付けて廃材感(?)を無くし、正確な位置にパネルボンドのような物(工業用の接着剤でかなり強力)でガッチリ固定しておきます。
上側のステーはボンネットを開けるとパッと目に入る部分なので
バーリング加工は当然として更にバフ掛けまでしてあります。

しかしバーリング加工部の穴は見た目だけではなく
ライトの光軸調整用のスクリューにドライバーでアクセスできるように考えられた位置に開けてあるのがミソです (*^ー゚)b
ここでちょっと問題発生

ライトを取り付けた状態だとバルブが脱着出来ない事が判明!
(一番最初に気が付けって話ですが・・・(苦笑)

やむなくボディ側のパネルを少しだけ切断し、少々ハンマーで叩いて凹ませて対応。

トランクルームには貫通しないで済んだのでまぁ良し・・・かな
問題は左側のバルブですね

←ライトを後ろから見たところ

正規の取り付け状態はバルブのコネクターがこの向きなのですが
(左右のライト共コネクターの向きは同じなので右ライトでは車両外側にコネクターが向いています)

この向きでは車体側に穴開け加工しなくてはいけないので
なんとかコネクターの向きを変えられないか検討してみる事に・・・
悩みつつもなんとかコネクターをこの向きに変えることに成功!

これなら右側と同じようにボディの加工は最小限で済みそうです
LOW側のバルブ(HB4)にはこのように3つのツメが付いていますが
1箇所だけ幅が違う為、他の位置では入らないようになっています。

←の左上のツメの右側をヤスリで少々削る事で3箇所どの位置でも入るようになります。
更にバルブ固定用の針金を押さえているビスの頭が引っかかってしまうので、引っかかるビスを頭の薄いビスに交換しました。
左ライトのバルブとパネルの隙間

これで問題なくタイヤハウス側からバルブ交換が出来るようになりました。
ここらでバンパーを取り付けてみることにしましょう

面倒なので型紙は作らずに現物合わせで切ったり削ったりしながらとりあえず取り付けてしまいました。

ノーマルバンパーを加工して取り付けましたが、この時点では暫定です。

というのは近日中に走行予定が入っていた為、バンパーやウインカーがないと具合が悪かろうとのことで急いで付ける必要があったからです。
取り付け状態はこんな感じです

ライトが低く、前に出てきてしまっているので
もうちょっとロングノーズにしないとバランスが悪い気がしますね

ノーマルバンパーはウレタン製でグニャグニャな為加工性が悪そうなので、FRPバンパーを入手した方がいいかも?

ウインカーとのクリアランスも無さ過ぎなのでいまいちカッコ悪い・・・
・・・いやいや
カッコ悪いだけなら良いけどライトが下にはみ出してて
ウインカーユニットが入らない!?

うぬぅ〜
違う車のライト移植だけにランプ類の相性が悪いのかしら?

ここでも悩む事小一時間・・・

ポクポクポク

・・・ウインカーが薄くなれば何とか入りそうだナ・・・
チーン♪

よし
ウインカーの薄型化だ!

奥行きを測り必要な薄さに切断

幸いスモールランプ側は加工しなくても収まりそうだったので
ウインカー側だけを切断しました。
さらにウインカーのソケットが取り付く丸い部分だけをカットしておきます。
バルブがレンズに当たらないギリギリの位置にソケット取り付け部をスーパー強力接着剤で固定。

空いてしまっている部分に合わせてプラ板でパネルを作成、
内側にアルミテープを反射板代わりに貼っておきました。
インチキ反射板をホットボンドで接着。

隙間があると水が浸入してしまうので何度も盛り付けて強度もアップ
で取り付け

レンズ面に球が近づいたのでウインカーがノーマルより明るくなりました

点灯しっ放しではないのでレンズも溶けることはないでしょう(多分)
ウインカーが無事点灯したところで今度はヘッドライトの配線です。

トヨタの2灯式を4灯式に変えて配線してしまうとハイビーム時にロービームも同時に点灯してしまうので
通常「同時点灯防止ユニット」なるものが必要になってきます。

←これはCIBIE製のユニットで2〜3千円だったと思います。
  (だいぶ昔に購入した物なので定かでは無いですが)

これを使用する場合はヘッドライト用のリレーもHI用、LOW用の2個が別途に必要になります。
ライトバルブはLOW側がHB4、HI側がHB3なので
それに合うコネクターを解体屋さんで調達して参りました。
ロービーム点灯時
ハイビーム点灯時

とりあえずヘッドライトの「移植作業」はこれで完了です

あとは外装パネルをFRPとかパテでヘッドライトの形状に合わせていけば良さそうです。