ヘッドライトエアインテーク製作


アルトのヘッドライトからフレッシュエアーをエアクリーナーに導く、「ヘッドライトエアインテーク」を製作します。

エアクリーナーがある側のヘッドライトを取り外し、レンズ面をマスキングテープでしっかりマスキングした後、その上からアルミテープを隙間なく貼ります。

レンズから直接型を取った方がきれいに出来るのですが、レンズは溶剤に弱く表面が溶けて曇ってしまうので保護します。

周囲にフランジを作りますが、これはボール紙にアルミテープを貼った簡易な物です。

離型ワックスは特に塗らなくても問題ありませんが、簡単に剥がれるように一回だけ離型ワックスを塗り、拭き取りはしません。


ゲルコートは手持ちが無かった事もありますが、作業的に面倒だったのでポリエステル樹脂に着色トナーを混ぜたもので代用しました。

この方がゲルコートにありがちな「縮み」の発生を心配しなくて済むし、完全硬化を待たずに積層出来るので作業時間が短縮できるというメリットがあります。

トナーを混ぜた樹脂には更にタルクを混ぜて粘度を増しておきます。

これは入隅に入れる樹脂パテを省略する目的とアルミテープの段差や皺がメス型に転写されるので、その際の削り代にする為です。

樹脂とタルクの比率は大体ですが樹脂2:タルク1位で刷毛で塗れるギリギリ程度の固さにしています。


ゲルコート代わりの樹脂には少し多めに硬化剤を入れ(2〜2.5%)て全面に塗り、入隅には特にしっかり塗ったら硬化し始めるまで少し待ち(当日の作業環境は15℃位で20分程度)、#450マットを3プライ、#200クロスを1プライ積層しました。

小さい型なので補強は特に入れていません。


翌日まで硬化を待ち、脱型。

浅く小さい形状なので脱型は簡単に出来ました。

特に大きい気泡や欠け等はありませんが、アルミテープの段差はしっかり転写されています。


レンズ正面の平らに近い部分はサンダーを当てられたのでほぼアルミテープの段差は削り落としましたが、フチに近い部分は面倒なのでそのまま。

成型品では皺部分がちょっと出っ張るだけなので削るのは簡単です。

全面を軽く水研ぎしましたがこれまた面倒なので#320程度で掛けておしまい。

これでメス型完成です。

続いて離型処理ですが、浅いメス型なので離型ワックス処理も3回で済ませました。

その後PVAを塗って乾燥待ち。


PVAがしっかり乾いたらメス型製作の時と同じようにゲルコート代わりの着色樹脂+タルクを刷毛塗りします。

メス型の時よりは少し粘度を下げてあります。


#450マット2プライを貼り込みますが、小さい部品なので必要な大きさのマットを2枚切り出し、プラダンの上で予め樹脂を塗って浸み込ませ、樹脂が浸み込んで柔らかくなった頃合いでメス型に貼り付けます。

マットは既にフニャフニャなので型馴染みが良く、脱泡作業もかなり楽に出来ます。


日が当たる場所に置いて硬化待ち。

直射日光に当てるとこの日の気温(9℃位)でも1〜2時間で殆ど硬化しているようです。

ただ念のため翌日まで放置。


フランジにプラスチックのヘラを差し込み脱型。

メス型の時より簡単に脱型出来ました。

表面に残っているPVAを水洗いして落とします。


周囲の不要部分を切り落とし、車体にあてがってフィッティングを確認。

純正のライトからメス型を作っているのでもちろん全く問題無くハマります。


固定用のステーはアルミ材で適宜製作しますが、脱着が容易になるよう純正のライト固定部を利用します。

外側二カ所は純正の取付位置にボルトで固定。

内側は純正が上下二カ所で差し込みになっていますが、軽いので下側一か所だけで固定します。

ここも純正と同じように差し込みにしたかったので作ったアルミステーにタップでネジを切り、長めのM8ボルトをねじ込んで飛び出させ、そのボルトを純正の取り付け穴に差し込めるようにしています。

更にこのアルミステー取付け向きの関係では90°捻じってあります。


エア取り入れ口のレイアウトを検討します。

今までタイヤハウス内に向けていたエアクリーナーも前側に向けます。

なるべくストレートにエアクリーナーに取り入れられるような位置でライトカバーに穴をあけます。

100Φのアルミダクトを使う予定なのでそれよりほんの少し小さ目、98mmで開口。


穴から覗き込むとほぼ真っ直ぐエアクリーナーの吸入口が見えます。


穴の中にはボール紙の外側にアルミテープを貼ったものを丸めて差し込み、動かないように外側からホットボンドでガッチリ固定します。


裏側に#450マットを千切ったものを2プライほど積層。

付け根の部分には後で外側の角を少し削れるように先に樹脂パテ多めに入れてあります。


硬化後ボール紙とホットボンドを剥がし、入り口の角に少しペーパーを当ててアールを付けておきます。


裏はこんな感じ。

外径は丁度100mm位になっています。


サーキットだけで使うものなのでヘッドライトは要らないかもしれませんが、ウインカーは付けておかないとマズいので付けておきます。

適当にLEDの貼り付けウインカーでも付けようかと思っていましたが、アルトのウインカー部分が微妙に膨らんだアール状になっており、平らな物だと上手くフィットしそうになかったので丁度良さそうなものは無いかと探していたら、我が家のオレンジ軽トラ(DA65T)のフェンダーに付いているウインカーレンズが目に入り、外して当ててみたところ具合が良かったので頂いてしまいました(笑)

ウインカーに合わせてライトカバーに穴をあけ、裏から当ててピッタリよりちょっと小さ目に微調整。

表からホットボンドで仮固定します。


裏側から固めに調整した樹脂パテを盛り付けて固定しました。


純正のウインカー配線から分岐させた配線に別途二極カプラーを取り付けて接続。

ヘッドライトインテークは巣穴等をパテ処理し、サフェーサーを塗ってあります。


ライトカバーの裏に100Φのアルミダクトを差し込みます。

寸法は当然ピッタリ。


エアクリーナーの取付位置変更に伴い配管を加工します。

自宅に在庫していた配管類やシリコンジョイント、パイプを溶接したりして配管の手直しをしました。


ほぼ出来上がったヘッドライトインテークを仮付けして確認。

これを取り付けた状態ではこの穴からしか吸気しないので吸気温度はかなり抑えられる筈です。


サフェーサーを研いで塗装。

当初は艶消し黒にするつもりでしたが逆に艶々の黒にしてしまいました。

艶有は塗った直後はすごくきれいで良いんですが、使っているうちに付く小傷が目立つのが難点です。


吸入口なのでアルミネットを付けて大きな異物が入るのを防ぎます。

アルミネットは半球型に成形し、裏側から当ててフチを折って仮留め、この上からアルミダクトを差し込んで固定します。


真っ平らにネットを張るよりお洒落ですね。


車体に取り付けて最終確認。

特急で作ったわりには良い出来ですかね?

ヘッドライトインテーク完成!