GTマシン風のワイドボディの自作にチャレンジしていきます

フロントスポイラーは破損する可能性が高く、スペアが欲しいので
今回の工作では雌型を作り、最低限同じ物を2個作る予定です。


※毎度の事ですが以下の作業は「私はこうやって造った」という例ですので
かなりいい加減な内容も含まれています
ご自分で作業なさる場合は自己責任でお願い致しますm(_ _)m


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フロントバンパー、フロントフェンダー、サイドステップ、リヤフェンダーまでをFRPで完全自作予定。

とりあえずフロントスポイラーからいってみます。

まずは発泡ウレタンの土台になるベース板を車に固定しました。
確実にバンパー下面の面積より大き目の板をアングル材やステー等で水平を正確に出しながらしっかり固定。
もちろん前後左右の寸法も正確に左右対称にし、車高も左右で合わせてあります。


ベース板にはその後の造形作業で左右の寸法を揃えやすくする為に10センチ角のマス目を書き込んでおきました。

ちなみにベース板は1820×600のカラー合板です。

発泡ウレタンがくっついてはまずいラジエターにはダンボールでマスキング、ヘッドライトはマスキングテープでマスキングした後、PEテープ(ポリエチレン・テープ)でさらに全面をマスキングしてあります。

PEテープを貼っておけばポリエステル樹脂が付いてもしみ込まないし、離型剤も必要ないのでキッチリ沢山貼ってあります(安いですしね)


ラジエターの前ををウレタンで埋めてしまうと掘り出すのが大変なので、開口部はウレタンの流し込み段階で確保しておくことにしました。

ヘッドライトより後にはウレタンが流れないようにダンボールで囲いを付けておきました。

ちょっとでも隙間があるとウレタンが流れ出てしまうので合わせ目はこれでもかって程テープで補強してあります(^^;)


作業開始前に色々イラストなんかを描いて検討してはみましたが、フロントバンパーの形状は決めかねていたので実際に削りながらデザインしていくことにしました。

なのでとりあえず無用に大きめのウレタンの塊を作る事に・・・

囲いはプラスチックダンボールです。

これはたまたま廃材があったので使用しただけです。

普通のダンボールには全面に梱包用の透明テープを貼ってあります。
ダンボールそのままだとウレタンから剥がすのにかなり難儀しますので。


以前は30倍発泡のウレタンがあったのですが、現在は25倍の物しか販売されていないようです。

イメージよりも思いのほか膨らまずに材料代が心配になってきました
(T0T)

この空間を埋めるのに発泡ウレタン原液を2.5キロ消費・・・

購入した4Kgのセットでは全く足りなそうなので8Kgのセットを追加注文。

23000円也。トホホ


とりあえず片側を大体仕上げてから反対側にコピーしていく作戦で行きます。
(CGみたいに簡単だったらいいんだけどなぁ)

バンパーとフロントフェンダーは流れるようにつながる形状にしようと思っているのでフェンダーも同時作業です。

かなり粗目のサンドペーパー(#40位)をかけた後シンナーで脱脂しておいたフェンダーを取り付けます。

ノーマルフェンダーはすでに後下部をカットしてあります。

目的はもちろんタイヤハウスの乱流を抜く為です


フェンダーの形状は事前イラストで煮詰めていたので、必要最小限のウレタン使用量で済ますことが出来そうです。

きちんと寸法取りしたダンボールで囲いを作り、ほぼ密閉状態にすることが出来ました。

反対側用のダンボールもこの時一緒に作っておきます。

内側には全面にガムテープ(表面がツルツルした布のやつ)を貼ってあります。
(たまたまガムテの安売りをしていたので大量購入(笑)

表側にも補強を兼ねてベタベタガムテ貼りしてあります(^^;)

上側にはウレタン注入用の穴を開けてあります。


ほぼ密閉で注入したおかげで、この部分に使ったウレタン原液は500cc程度でした(^^)

ウレタンがフェンダーから剥がれてしまわない様にやんわりとダンボールを剥がします。

形状も決めていた上、キチンと採寸して発泡させたので剥がした後ちょこちょこ削っただけでこの位まで仕上がっています。

フェンダーアーチの頂点部は大径タイヤ+シャコタン対策でノーマルより25ミリ程上に広げてあります。

幅はこのウレタンの段階で35ミリほどワイド。
ここにFRPやパテが乗るので40ミリ近くワイドになると思われます。


追加注文したウレタンが届いたので反対側にもウレタン盛りし、ざっくり削っておきます。

運転席側の形状がまだ完全ではないので、ホントに大雑把に削るだけにしておきました。

ここまでトータルでウレタン6キロ強消費。


サフォーマー、サンドペーパー、カッター等を駆使してひたすら削る毎日。

いつも仕事が終わってから夜に作業していたのであまり時間が取れませんでしたが、作業開始から10日間位でこの状態。

運転席側の形状はほぼ決定。

造り易さを考慮したのでシンプルな形状に収まりました。

空力的にも割と単純な面形状の方が空気抵抗は少ない

「だろう」

との判断です(笑)


ちょこっと色が変わっているのが分かりますか?

右側は形が確定したので、表面にポリエステル樹脂を塗って固めてしまいます。

ウレタンはとかく脆い材質なので形状が決まり次第さっさと樹脂で固めないと不安で仕方ありません。

通りがかりの人がなにかと指で突っつくし(^^;)
何日も放置しておくと、いつのまにか平らにしたはずの面がうねっていたりする事もありますので。
(高価なウレタンはそんなことないでしょうが・・・)

樹脂は発熱を防止する為に硬化剤をやや少な目にした物を刷毛で塗りこみましたが、吸い込みが多いので2回塗り重ねました。


刷毛塗りした樹脂が固まったのでガラスマット(#450)を1層貼り込んでガッチリと強化。

細部の仕上げと精密な寸法合わせはこの後にパテで行うので
そのベースとするわけです。

もちろんウレタン原型はFRP1層分と、この後に表面を均す分のパテ盛り分を差し引いた寸法まで削り落としてあります。


形状の決まった右側の寸法を左側に移していく作業。

ボンネットはメモ帳になっちゃってます(^^;)

計測はミリ単位で行っていますが、この段階ではそんなにシビアには合わせてはいません。

というか、サンドペーパーでさらさらと削っただけで2〜3ミリ位すぐに削れてしまうので合わせられないと言った方が正しいかな?

厳密な寸法合わせはパテの段階で行うので、ウレタンを削り出した段階では右側よりも僅かながら「小さく」なるように仕上げておきました。

とにかく右側の寸法に合わせるので、どこかが右側より寸法的に大きいとパテ研磨の段階でその場所のウレタンが出てきてしまうのを防ぐ為です。


計測にはメジャー、直角定規、ノギスなんかを使用していますが
今回新たにレーザー墨だし器なるものを購入、使用しました。

2000円位で買える安物ですがいざ使ってみると大変便利です。

左右のボディに目印を数箇所付けるだけでボディの凹凸や曲線に関係無く、真直ぐなラインを引けるので、かなり正確に計測できます。

この墨だし器はレーザーのラインを縦、横、十字と切り替えられる上、水平器も2つ装備されています。

これからの作業にも大活躍してくれるでしょう(^^)


納得いく寸法になったので#450で1プライコーティング。

ガラスマットは樹脂を塗る前に手でぐしゃぐしゃに揉んで柔らかくしておくと曲面に馴染み易く、樹脂も浸透し易いです。

垂直面等に貼る時には、あらかじめダンボールやビニールの上でマットに樹脂をしみ込ませておいてから貼り付けるとラクに貼る事が出来ます。

手はベタベタになりますけど・・・


左右の形状が確定したので今度はセンター部分に着手。

ノーマルバンパーの取り付け部分を切り取り、ライトの輪郭に合わせて取り付けました。

表面は粗めのサンドペーパーで足付けしてあります。


センター部分にもウレタンを注入し、荒削りしたところ。

全体のバランスを見ながらサイド部分にも若干手直しをしました。

センターに向かって少し絞り込んでノーズ先端も少し低く、シャープなイメージに。

サイドを絞った分だけカナード部分が大きくなってしまいましたが、この方がより強いダウンフォースが得られそうです。


ラジエター冷却用の穴を開けます。

ここでもレーザー墨出し器が大活躍です。

車のセンターと水平さえキッチリと出しておけば色々な場所の寸法が簡単に計測する事が出来ます。

ちょっと薄暗くないと見え難くはありますが。


で、満足いく形が出来上がったので
フェンダーと同じように樹脂でコーティング、
#450マット1層で強化をします。


ウレタンの表面も多少デコボコがあったし、FRPを貼った際にもマットの重なり代とか樹脂の多い場所少ない場所が出てくるので
樹脂が硬化したらハンドグラインダーにフレキシブルサンディングディスク(サンドペーパーが沢山貼り付けてあるディスク)というのを付けて表面を均します。

高いところを重点的に削り落とし、低いところはサッと表面に足付けする程度でやめておきます。


で、今度はパテを塗って正確な寸法合わせと表面の仕上げを行います。

バンパーとフェンダーでかなりの面積になり、市販のポリパテを使っていたのではあまりに無駄なので樹脂とタルクを混ぜてパテを作ります。

タルクの混ぜ具合で粘度調整出来るので、最初にウレタンに塗る時は弛めに、厚みが必要な時は固めに調整して塗ったくっていきます。


このパテは安くてお得でけっこうなのですが、完全硬化すると硬くなりすぎてしまい削るのが一苦労です。

サンドペーパーの荒目の物を使ってもなかなか削れません。

疲れるし時間もかかるので効率を上げる為に半硬化状態の時に金鋸の刃で荒削りをします。

この「半硬化状態」は微妙なのですが
指で押しても変形しなくて、爪で引っ掻くと削れる位?ですかね

刃を少し寝かせて斜めに手前に引くとサクサク削れます。

また、大き目の曲面部であれば刃をしならせて削ることが出来ます。


ただひたすらにパテを塗り、削っていきます。

もちろん寸法もミリ単位で計測、合わせ込んでいます。

仕事柄エアツールも有るのですがあまり使っていません。

せっかく楽しい造型作業なのであまり早く終わってはアレかなと(笑)


パテ付けは最初のうちは極端に低い箇所だけに絞って塗り、
ヘコミが埋まってきて周囲と同じくらいになってきたら
全体に塗ってバランスを合わせながら削ります。

面積が面積だけに削るのはもちろんですが
パテを付ける作業だけでも大変です。


「面」もだいぶ出てきたので
市販のポリパテに切り替えて仕上げていきます。

ここまでくるとミリ単位の修正なので神経を使います。

ただ、市販のポリパテはかなり研ぎ易いので
体力的にはラクですけど


数種類のパテの色が混在しているとラインの確認がし難いので
線がきちんと出来ているか確かめる為に時々サフェーサーを吹き付けています。

もちろん巣穴やペーパー目の確認も兼ねています。


なんとなく地面とのクリアランスが大きいような気がしたので
土台にしていた合板のはみ出した部分を切断して土台の厚み分もスポイラーにしてしまうことにしました。

これで12ミリ地面とのクリアランスを減らす事が出来ました。

それでも90ミリ以上は確保出来ています。


下唇というか顎(?)部分はこのように床下に空気を取り込む形状にしてあります。

本物のGTカーもこんな形状なので真似してみただけですが
(^^:)

口の中(?)はパテ仕上げが面倒なので(どうせ使わない部分ですし)ベニヤの表面に樹脂を塗った物を貼り付けて平らにしてあります。



形状、寸法もほぼ完全に仕上がったので、最後の表面処理に入ります。

サフェーサーを塗る前に表面のペーパー目を埋める目的でパテを溶かした物を吹き付けました。

これは市販のポリパテと製品用ゲルコート(白)をおおよそ半分ずつ混ぜ、それをスプレーガンで吹き付けられる程度までアセトンで薄めた物です。

硬化剤はポリエステル樹脂用のパーメックNを全量に対して3%程。



硬化したので#320で全面を水研ぎし、2液のウレタンサフェーサーを吹き付けました。

サフェーサーの硬化を待ち、#1000〜#1500位で水研ぎし、
全体を軽くコンパウンドで磨いて


これで原型の完成で〜す ヽ(^0^)ノ


磨きまで完了した原型(マスターモデル)

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