NEXT 製品製作 |
|
フロントバンパーとフェンダーを一体で原型を製作しましたが、もちろんバンパーとフェンダーは別部品として製作します。 分けたい位置に左右対称に正確にラインを引きます。 曲面に定規を当てるのは難しいので、マスキングテープをガイドにしてラインを引きました。 左右対称かどうかの計測はレーザー墨だし器で行っています。 ラインは油性マジックで引きます。 |
|
雌型の積層準備第一段階 「離型ワックス」処理をします。 塗って乾かして拭き取り×5回程 万が一にも原型に食い付いてしまう事は絶対に避けたいので しつこくしつこく磨きました(^^;) そりゃぁもうまわりの景色が映り込む程・・・ |
|
分割ラインに沿ってフランジを立てます。 ヘッドライトの輪郭とフェンダーとの分割ラインには塩ビ板、スポイラーのミミ部分はベニヤ板を使用。 ホットボンドで原型に固定し、補強のために割り箸、爪楊枝で支えを接着してあります。 |
|
ボンネット側との境目にはバンパーとボンネットの隙間にベニヤ板を差込み、更に隙間に厚紙を押し込んでキツくしておき、同じように割り箸で補強を取り付けました。 ベニヤ板、塩ビ板は取り付ける前に離型ワックス処理を済ませてあります。 |
|
フランジの付け根でどうしても隙間が空いてしまっている所には「油粘土」を詰め込みます。 粘土を手でこねこねして軟らかくし、今度は「蛇」を作る要領でこすり、細長くして隙間に押し込みます。 粘土が冷めて固くなるのを待ってプラヘラ等で不要部分を切るように取り除きます。 その後「PVA」(ポリビニールアルコール)を湿らせたスポンジでマスター型全面に塗布。 よく乾燥させます。 |
|
全面に「型用ゲルコート」を塗布。 マスキングが面倒なので刷毛塗りにしました。 2回塗りしますが、1回目はPVAを破かないようにやんわりと、 2回目は下地が透けないようにしっかりと塗り込みます。 型用ゲルコートには2種類あり、2液タイプと3液タイプがあります。 2液タイプは促進剤がすでに配合されており、長期保存が出来ないですが安価です。 3液タイプは促進剤が入っていないので長期保存が出来ますが、やや価格は高めです。 性能的にも3液の方が良いらしいですが、私のような素人工作にはあまり関係なさそうです(^^;) |
|
今回初めて「ロービングヤーン」なる物を使用。 現物を見たのも触ったのも初めてですが 十数本のガラス繊維を束ねて巻いてあります。 そのまま切断するとバラバラになってしまうので、 片側を結んでおいて樹脂に浸し、指で樹脂を搾って コーナー部分や直角の谷部分に置いていき、角に気泡が入るのを防ぎます。 結び目は角に乗せながら最後に切断しました。 |
|
一層目を張り終わったところ。 雌型はとにかくこの一層目が大事なので 以前の工作でもお世話になった専門家の先輩に手伝って頂きました。 私が樹脂を浸した繊維を貼り付け担当、先輩がローラーでエア抜き担当。 もちろんエア抜きの方が技術が要るので そちらを先輩にやってもらいました(^^;) お陰様で綺麗な成形面になっています(^^) このまま連続で積層すると樹脂の収縮が大きくなり、歪む可能性があるそうなので、一旦このまま硬化させてしまいます。 後片付けしてこの日は終了。 |
|
翌日、今度は2層まとめて積層。 更にその次の日にフランジ部分に2層ほど追加積層。 これで全体が3層、フランジ部が5層になりました。 ちなみに、ここまでに使用した樹脂は 積層用の「ノンパラフィン樹脂」です。 プロの方は専用の「型用樹脂」というほとんど収縮しない樹脂を使うらしいですが、私は何でもかんでも同じで安い樹脂を使ってしまっています(^^;) |
|
予定していた厚みになったはず(?)なので 雌型の補強をします。 まずは周辺のフランジの補強から。 2.3mm厚のベニヤ板を三角に切り、それを二つ合わせた物をホットボンドで雌型に貼り付けます。 |
|
そこに#450のガラスマットを2層、ベニヤ板を完全に覆うように積層します。 ここまでくると気泡のことは気にしないで適当に貼ってます。 樹脂を塗るローラーで押し付けておわり。 |
|
補強と脱型した後の土台を兼ねて5mm厚のベニヤ板を ←のように取り付けてみました。 #450のガラスマット2層で左右から挟むように積層してあります。 |
|
補強が硬化したら全体に樹脂のみをローラーで塗りたくります。 今まではノンパラフィンの樹脂を使っていましたが、 最後に塗った樹脂には「パラフィン溶液」を混ぜてインパラフィン樹脂にしてあります。 硬化すると表面がサラサラになります。 と、これでバンパー部分の雌型、 完成で〜す(^^) もちろん、このまま脱型せずにフェンダー部の雌型製作に入ります。 |
|
フェンダーと接する部分のフランジ用の板を取り外し、角部分に入れてあった粘土を綺麗に取り除きます。 気泡による空洞もほとんど無く、綺麗な仕上がりです。 |
|
ボンネット側、ドア、ピラー側にフランジを立てます。 直線部は2.3mmベニヤ、曲面部分は0.5mmのアルミ板を使用しています。 固定にはホットボンドを使用し、ガッチリ取り付けてあります。 |
|
ドアとフェンダーの隙間には粘土を詰めて埋めておきました。 他にもフランジとフェンダーに隙間があるところには 粘土を押し込んでヘラで綺麗に均してあります。 その後、フランジ部とフェンダー本体に離型ワックス処理を施し、 PVAを塗ってよく乾かしておきます。 |
|
PVAがしっかり乾燥したら型用ゲルコートをバンパーと同じように2度塗りし、翌日まで放置して硬化を待ちます。 | |
ゲルコートが硬化したのを確認し、慎重に1層目を積層。 翌日まで放置し、ささくれ等が有ったら粗目のペーパーで軽く研いで落し、今度はまとめて2層積層します。 |
|
翌日、5mm厚のベニヤ板で補強板兼土台を貼り付け 全体にノンパラフィン樹脂を塗って フェンダー雌型の完成で〜す(^^) ちなみにここまでに16キロ缶の樹脂1缶を丸々使用・・・ ガラスマットも30cm幅で40m以上消費してます 更には道具の洗浄用に使っているシンナーも 25リットル程使っています やはり雌型を作ると材料を大量に使いますね(−−) |
|
いよいよ脱型作業に入ります。 まずは周辺のフランジ用の板を取り除きます。 離型剤が効いているので簡単に剥がれます。 |
|
圧縮エアーを吹き込んで脱型し易くする為に バンパーの中央部、ラジエター導風用の穴の中心に 6mm程の穴を空けます。 原型を貫通しては意味が無いので 少しづつ穴の中を確認しながら雌型のみ貫通させます。 先端が平になっているスポットドリルを使用。 |
|
周辺のフランジ同士がくっついているので バリ部分をディスクサンダーで切り取ります。 あとは原型と雌型の合わせ目にプラスチックのヘラをグリグリ押し込んで脱型していくわけですが・・・ これがなかなかはずれない いつものようにS氏が手伝ってくださったのですが あちこちプラスチックハンマーで叩きながら 色々な場所からヘラを突っ込んで少しづつ剥がしていきました。 |
|
剥がしている最中はけっこうすごい音(パキッ)がするのでビビリますがそれでもある程度無理やりヘラとかを突っ込みます。 ある時を境に一気に型が「バコッ」と取れます。 気持ちいい瞬間ですね(^^) 多少、型の端部にゲルコートの欠けもありますが、内面は非常に綺麗な状態です。 |
|
原型との食い付きもほとんど無く、 原型の方もかなり綺麗な状態です。 少し補修すれば再度雌型を取れそうな感じです。 (やらないですけど) |
|
フェンダーは型も浅かったので比較的脱型はラクでしたが バンパー側は結構苦労しました。 でもやはり最後の瞬間は一気にパカッっと取れました フェンダーと同じように内面はツルツルで非常に状態が良いです。 製品を2個しか抜かないのがもったいない程の仕上がり♪ |
|
リップの先端部は積層時にエアが入っていたようで 少々欠けてしまいました。 まぁほんの少しなのでパテで直すかゲルコートを少し塗れば簡単に直りそうです。 |
|
毎度の事ですが FRP工作をすると作業後の廃棄物の処理に頭を悩ます事になりますね(--;) せっかく2ヶ月以上もかけて作り上げた原型を破壊する時の何ともいえない虚脱感も手伝ってげんなりしてしまいます。 まぁもう役目を終えた終えた「物体」なので保管していても仕方ないし、渋々破壊していくわけですが・・・ こういった作業ははかどらないもんですね(苦笑) |
|
雌型の内面は基本的にツルツルなのですが PVAをスポンジで塗りつけた時の痕が転写されて 筋になっていたりするので、耐水ペーパーで綺麗に均します。 型用ゲルコートは非常に硬いので思いのほか大変な作業になってしまいました。 本当は鏡面に近い方が良いらしいのですが、とても根気が続かないので#240→#400あたりでやめておきました(^^;) |
↑ トップページへ |
←原型製作へ |
製品製作へ→ |